自分自身含め、意匠設計をしている人でこれからの時代、アニメーションでのプレゼンが必須になってくると思いませんか?私はそう思い、いろいろ調査・実験をしました。その内容をこの記事にまとめました。
「建築パースの静止画では物足りない。アニメーション用のおすすめのレンダリングソフトは?。BIMまでやるつりは無いがサクッと動画化したい。」
こういった疑問に答えます。
この記事を書いている私は、意匠設計歴14年。
現在は設計事務所を運営し、自身も一級建築士として活動しています。
建築アニメーションについて、実体験に基づいて解説します。
目次
■これからの時代のプレゼン表現としての建築アニメーション
結論として、アニメーションがおすすめです。 なぜかというと、安くて簡単かつ高品質に動画化できるソフトウェアが近年出ているからです。また、YouTubeに代表されるようにウェブで簡単にイメージをシェア出来る時代になりました。
□体験談:今から14年前(2006年)卒業設計で一人だけ模型を作らずアニメーションでプレゼンした話
具体的なお話をすると、14年前の私は卒業設計で調子にのり複雑な形態にチャレンジすることに。。。模型では製作が困難と思い、大学のメディアセンターにこもって3dsMaxを覚えました。本を見ながら試行錯誤し、モデル化に成功、3dsMax搭載のMental rayでレンダリングをかけ、10時間くらい費やし、なんとか動画にしました。当時は高性能パソコンに3dsMaxとどちらも高額で、製作時間もすごいかかり、動画でプレゼンするには少し時代が早かったです。
ただ、今現在(2020年)はソフト、ハード共完全に動画の時代です。
5G回線、YouTube、ソーシャルネットワークの普及で一度動画をアップロードすれば、一気に動画が拡散し、たくさんの人に見てもらうことができるし、限定公開してクライアントにだけhttpのリンク先だけ送付すれば、簡単にイメージを共有できます。
↓私の事務所で作成した建築アニメーション
□よくある質問:全部3D化するのって大変じゃないですか?
確かに面倒なこともあります。窓や扉や造作などですが、一度3Dを作ってしまえばモデルを登録・テンプレート化できるので、ある程度使いまわしができます。面倒でも一度作ってしまえば次回からは逆に時間短縮になります。
フルで3D化は気が滅入りそうな時は見せたいとこだけでもOKです。 気楽にいきましょう。
■3Dソフトとレンダリングソフト
3Dソフトとは3D空間にモデリングする為のソフトで、パソコン上で模型を作っている感覚です。レンダリングソフトとはカメラのアングルを決めて、光の設定をして静止画や動画に書き出すソフトです。高性能な3Dソフトには専用レンダリングソフトが付いていますが、そこまで性能が高くないので、外部のレンダリングソフトと組み合わせて使うのが業界標準です。
・ケース1
Jw-cad(2D)→3DソフトにDXF形式で読み込み→3D化→レンダリング
・ケース2
VectorWorksで2D+3Dまで作る→レンダリング
・ケース3
Autocad(2D) →3DソフトにDXF形式で読み込み→3D化→レンダリング
・ケース4
Revitで作図(BIMなので作図時点で3D化されている)→レンダリング
■おすすめレンダリングソフト
結論、ENSCAPEが私は一番使いやすい。
なぜなら、3Dソフトでのマテリアルの設定などが追加変更無しで、リアルタイムに移行・シンクロされるからです。手間少なく高品質でビジュアル化できます。
・ENSCAPE
コスト:月39ドル
個人的に一番お勧め。
・LUMION
コスト:小規模向け永久ライセンス19.5万円、Pro永久ライセンス39万円
レンダリングクオリティーならこれが一番良い。
マテリアルの設定に手間がかかる。
・TWINMOTION
コスト:永久ライセンス4.2万円
無料期間が1年ほどあったので、利用人口が多い。
安い。
クオリティーはまあまあ。 マテリアルはモノによってスムーズに3Dソフトから移行しますが、全部では無く、TWINMOTION上で再設定が必要。
■2D→BIMの最初のステップとして、BIMモデルを基本設計に取り入れるメリット
悲報:挫折するので一気にBIMへ移行するのはおすすめしません。
□体験談:独立最初のプロジェクトで実施設計図を全てREVITでやろうとして失敗した話
独立当初、AutocadからRevitに一気に移行しようと息巻いていました。丁度、最初のプロジェクトが傾斜地に建つアパートだったので、形状がわりと複雑になり、ちょうど良いと思ったのです。2Dだけでは不明確な点が多いのでRevitでやる意味があると。結果、形状が複雑なゆえにモデリングに手こずり、スケジュールがおしてしまい、Autocadで書き上げたという本末転倒な話しです。
特に難しいと感じたのは、実施設計時の平面図、平面詳細図など、実際ベースの正確なオブジェクトの作成に迫られた時です。この経験から私の結論は、正確なモデルの入力がそこまで必要無い基本設計時だけまずはRevitを使うというものです。しかし、これだけでも上記で解説したレンダリングソフトの使用でプレゼン用のアニメーションが作れます。
■まずはアニメーションを導入してみよう
まだBIMや3Dを導入していなかったら2DのCADデータをSketchUp(これが一番安い)に取り込んで3Dに立ち上げてみてください。そしてプラグインでレンダリングソフトを入れてアニメーションを作ってみましょう。
私のYoutube動画にSketchUpのチュートリアル動画をアップしています。操作の仕方を勉強出来ます。
Youtube チャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCborFJO25xAmG_3lf8hilJw?view
私の会社では設計事務所業務の他に、アニメーションやCGの製作なども承っています。製作の時間が無い、手間なので外注したいという際に活用頂ければ嬉しいです。
ベトナムにBIMのアウトソーシング事務所を作りました。
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