住宅の設備機器で注意しておきたい項目をあげます。設備機器は年々新しいものが出ますので、近年のトレンドをふまえ、説明していきます。
目次
省エネ住宅を目指すには
近年、省エネに対する意識は高まるいっぽうですよね。いかに自然エネルギーを利用しつつ、エネルギー消費量を減らし、かつ快適性を向上させるかがキーポイントです。
具体的には下記三つの要素によります。
建物外皮の熱遮断
建物外皮とは外気に接する壁や屋根や床のことです。まるまる断熱材で包み込むのが断熱の基本です。省エネ法の基準で定められた基準を上回ることが一つ目安になります。
全国8つの地域で要求性能が異なっており、当然寒冷地の基準の方が厳しくなります。
断熱性能が高いと冷暖房の負荷が減るので、より省エネですよね。
省エネ設備
■冷暖房
・高効率エアコンの利用
高効率エアコンとはセンサとインバータによる低負荷運転を組み合わせることで、省エネ化をしています。これらの機能を有したエアコンを高効率エアコンと言います。最大60%省エネ化が可能なんだとか。
■給湯
・エコ給湯の利用
エコ給湯とは電気式の給湯器のことで、大気中の熱を集め、水を温めるのに利用することで使用するエネルギーを抑えるものです。安い深夜電力を使用し、お湯を給湯器内に貯めます。
お湯の使用量を把握しておき、お湯の使い切りで出なくなることを防ぎましょう。
またガス給湯器と違い、水栓を開けるとお湯がすぐ出ることがメリットです。
■節水
・節水トイレの利用
TOTOやLIXILから節水型のトイレがいろいろでています。従来型に比べ1/3-1/4ほど節水できるようです。
■照明
・LED照明の利用
これは説明不要ですね。近年は照明器具の価格も安くなりました。白熱灯を探す方が難しい時代です。
自然エネルギーの活用
・樹木の利用
夏に葉が茂り、冬に葉が落ちる種類の木を南側の日射に受ける場所に植えることで、自然に夏は日射熱を抑え、冬は室内に取り込むことができます。
・庇の利用
庇の出で夏の日射熱を抑える。
・窓の利用
通風換気がされやすい窓配置や、照明を使わなくてもよい窓配置でエアコンと照明の使用量を抑える。
シックハウスと24時間換気について
一昔前にシックハウス症候群といったアレルギー反応で家に住めないという問題がありました。建材に含まれるホルムアルデヒドや滞留した二酸化炭素、臭気、湿気などが原因です。また、住宅の高気密化で、換気が不十分になってしまうという現象がおきました。
そこで、24時間換気設備が義務化されました。法令の基準によると2時間で部屋の空気がまるまる入れ替わる換気量です。
第一種換気(機械給気と機械排気)
第二種換気(機械給気と自然排気)
第三種換気(自然給気と機械排気)
これらの種類のうち、住宅ではほとんど、第三種換気が用いられます。コストが安く臭気が拡散しないというメリットがあります。
床暖房について
温かい空気は上に行き冷たい空気は下に行きます。なので冬場の足元は寒いのです。吹抜けがあって天井が高ければなおさらでしょう。そんな時に重宝するのが床暖房です。空気が汚れず場所もとりません。部屋の広さに対して、7割ほど床暖房を敷くのが目安です。
床暖房には温水式とヒーター式があります。
温水式は配管の施工や熱源機の設置でコストが高いですが、ランニングコストは安いです。
逆にヒーター式は熱線のパネルをフローリングの下に敷くだけなので、初期費用は安くなりますが、ランニングコストは割高です。
使用面積や頻度を考慮し、どちらか決めるのが良いでしょう。
LED照明の選び方
LEDの明るさってルーメン表示です。製品に白熱灯何W数相当と書かれていますが、分かりにくいですよね。
部屋の広さと必要W数の目安です。
6帖以下 白熱灯100-180W
6-8帖 白熱灯180-240W
8-10帖 白熱灯240-400W
10-12帖 白熱灯400-W
ホームエレベーターの設置について
ホームエレベーターは高齢者や車いす利用の移動が楽になり、日当たりの良い2階や3階に寝室を設けることもでき、プランニングに大きく影響します。
だいたい2-3人乗りで、畳1畳のスペースに設置できるものもあります。
将来設置するかもしれない場合は、縦動線を考慮し、押入れや吹抜けにしておきましょう。
火災報知器の設置基準について
消防法の改正で全ての住宅に設置義務があります。火災報知器には熱感知式と煙感知器式があり、キッチンは熱感知、それ以外は煙感知式を使うのが一般的です。
基本的な設置箇所は寝室と階段最上部です。自治体により台所など寝室外に設置要求がある場合がありますので、確認しましょう。
スイッチとコンセントの高さ基準について
一般的な高さの基準です。

スイッチはワイドスイッチで発光ランプ付が便利です。押しやすく、暗くてもスイッチの場所がわかります。
コンセントは洗濯機と冷蔵庫とエアコン用の設置高さに注意が必要です。
その他のコンセントも適宜配置しましょう。掃除機が届くよう廊下にも忘れずに設けます。
また、屋外用はカバーの付いている防水コンセントと使います。
住宅内LANについて
新築を建てる場合、情報分電盤から各寝室にLAN配線を入れてしまうのが良いと思います。無線LANよりも通信速度は安定していますし、ディスクトップの場合無線LANの子機をわざわざ買う手間も省けます。
LAN配線のコストなんて決して高いものではありません。
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